松井智彦さん
「咲かないときは根を張れ」


学生時代で学んだこと
努力が実り、身体能力を活かし多くのチャンスを得たものの、結果が出ずに苦しみました 。客観的な自己分析ができないまま精神的にも追い詰められ、2年秋に退部を決断。引き止める仲間にも拳を振り上げ、大島監督との面談では自身の弱さに向き合えないことを伝えました 。
その面談で「失敗の定義は無数にあり、心を向ける先は自分が今やらなければならない一番大切なことは何か」という監督の言葉は、今も心に深く刻まれています 。当時を振り返ると、失敗の後悔ばかりに囚われ、漠然と練習していたことに気づかされました 。
この経験から、自分が今やるべきことを具体的に定め、それに向かって悩み続けることの重要性を学びました 。その先にこそ、結果以上の価値が生まれ、それが「活きた目」として現れ、まさに「生き方は目に宿る」ということを実感できたのです 。これは私にとってかけがえのない財産となっています 。

仕事に通じていること
私の仕事は人命に関わる消防であり、活動内容が人の生死を左右します 。救出活動中に会話できていた方が数秒後に亡くなることもある、死と隣り合わせの仕事です 。
このような状況で私が常に考えるのは、「自分がやるべき最善の活動をする」こと。これは学生時代に培われた教訓であり、日々の訓練を通じて習熟に努めています 。訓練では多くの失敗を経験しますが、その中で原因を究明し、反復することで技術を高めています 。
活動後の安堵感や緊張の糸が切れる瞬間もありますが、私は常に「今、自分がやるべきこと」に集中して取り組んでいます 。この姿勢は紛れもなく学生時代の学びが土台となっており、私の仕事への誇りでもあります 。

学生へのメッセージ
共に目標へ向かい、切磋琢磨した仲間たち 。喜びや悔しさ、そして辛さを分かち合ってきた仲間 。同じ釜の飯を食べた絆は、卒業した今も変わらず、共に笑い合える関係として続いています 。
後輩の皆さん。今、目の前にいる仲間を大切にしてください。私が今ここにいるのは、平成国際大学野球部で共に過ごし、支え合えた仲間がいたからに他なりません 。このかけがえのない経験と仲間が、君たちの未来をきっと豊かなものにしてくれるでしょう。